FX【一目均衡表】主な手法や雲だけを利用した方法、注意点など

FX【一目均衡表】主な手法や雲だけを利用した方法、注意点など

日本発のテクニカル、それが一目均衡表です。

長い歴史を持ちながら、現代も利用されている相場の指標として知られるメジャーな分析法として、今この瞬間も株式や先物取引、そしてFXにも使われています。

そんな一目均衡表も、初めてFXに取り組んでいる方にとっては全く分からないという方も意外と多くいます。

こういったの悩みに対して今回、一目均衡表の解説やその表を利用した手法、そして注意点を分かりやすくまとました。

この記事を読めばきっと一目均衡表について知ることができるでしょう。

一目均衡表を解説!基準線・転換線・先行スパン1・先行スパン2・遅行スパンなど

一目均衡表、漠然とこのい葉を聞いても分からないケースも少なくありません。

そんな一目均衡表の基本となる基準線や転換線、先行スパン1.2、遅行スパンといった3つの項目について紹介していきます。

この3つが分かれば基本的な見方を理解できます。

全ての基本!基準線

一目均衡表はローソク足と5本の線を描く方法です。

そんな一目均衡表の基準線は長期の平均的な価格の動きを描いたラインを指します。

計算方法は、過去26日間の最高値と最安値を足して2で割ったものです。

この最高値と最安値を1か月近いスパンで見ているという特徴が基準線にはあります(基準線 = ( H26 + L26 ) ÷ 2)。

このラインを引く意味は中期の相場水準の目安になるということです。

基準線を見れば今の価格が売り優先なのか、買い優先なのか分かるという指標です。

転換線とは?

転換線は、基準線よりも短い期間で見た曲線です。

過去9日間の最高値と最安値を足して2で割った数字を結んでいます。

こちらも基準線同様にトレンドの方向性を予測することができる指標として利用できます。

目安としては、短期的な動きを基準線より把握しやすく、この線が基準線の上にあれば買い時、逆は売りです。

基準線よりも直近のトレンドを反映しているラインなので、より最近の傾向を把握するのに最適な目安といえます。

売りや買いのサインともいえるラインとして活躍してくれるでしょう。

3つのスパン・先行・遅行

スパンについても紹介しましょう。

まず先行スパン1は、当日の転換線と基準線の中間となる値を26日間先行させたラインです。

短いスパンでは表示されませんが、1か月単位で一目均衡表を表示させることでラインが発生ます。

先行スパン2は、過去52日間の最高値と最安値を足して2で割ったラインを26日間先行させたものです。

最後の遅行スパンは、終値を26日前にずらした(遅行させた)ものになります。

遅行スパンが26日前の相場の上に来た時をを上昇転換、下に来た時を下降転換とします。

一目均衡表を利用した主な手法|雲だけを表示させる方法もあり!

ラインの意味が分かったところで、どのように利用するのかを紹介します。

端的にいえば、これらの指標を表示させて、今が売りなのか、買いなのかを判断するのがポイントです。

そんな手法について、代表的な基準線と転換線の交差、スパンの利用、雲だけを表示させた手法をまとめました。

基準線と転換線の交差をみる

基準線と転換線の交差を見る手法は、転換線が基準線からどういったタイミングで持っているの通貨の売りなのか、あるいは買いなのかを判断する有効な手法になります。

具体的にいえば、基準線をベースに転換線が下に抜けたタイミングで今持っている通貨を売りに出すことで、利益が期待できます。

逆に転換線が基準線の上を抜けたタイミングでは、通貨の買い注文をかけることで今後の利益を狙えます。

このように売り、買いのシグナルとして交差の利用は有効な手段です。

遅行スパンを利用する

遅行スパンの利用も有効な手法です。

遅行スパンは、当日終値を26日逆行させたシンプルなラインですが、相場の大きな転換期を意味するとされています。

そんな遅行ラインを利用した手法は、通貨の価格との比較です。

遅行スパンが現在の通貨の価格よりも上にある場合は買い勢力が強いと示唆される状態です。

一方、下にある場合は売り勢力が強いことを意味するとされています。

これらの勢力の意味を知っておくと、遅行スパンがローソク足の下から上を超える場合に買いのシグナル(好転と呼ばれる)が分かるようになります。

逆にローソク足を上から下に突き抜ける状態は売りのシグナル(逆転といわれる)です。

このような利用方法ができます。

雲だけ表示させて利用する

先行スパン1と2を組み合わせた状態を「雲」(抵抗帯)といいます。

この2つのスパンとローソク足とを表示させただけ、つまり指標として雲だけを表示させる方法も取引で有効です。

まず、ローソク足が雲の上にあれば、価格が上がりつつある状態、下にあれば下がりつつある状態という、トレンドを見る方法が主な利用方法の一つとして挙げられます。

他にも雲からローソク足が上に突破した状態は、買いのシグナル、下に突破した場合は売りのシグナルです。

また、先行スパンの1と2がクロスした状態、いわゆる雲のねじれとなった時はトレンドの逆転が示唆されます。

更にこの雲と移動平均線を利用すれば、よりトレンドの状況が分かりやすくなります。

このように雲だけでも、様々な予測を立てられる手法です。

一目均衡表を利用する際の注意点について

一目均衡表はメリットが大きく、お話ししてきたように売買のチャンスや相場の傾向を予測するように便利な指標です。

しかし、この指標にばかり頼っていると、思いもよらない損失を引き起こすことも珍しくはありません。

ここではそんな一目均衡表の注意点についてまとめました。

ダマシが起こることに注意

ダマシとは、誤ったシグナルの発生など、取引のチャンスを誤って表示させてしまう現象です。

完全に一目均衡表を信じて取引してしまうと、このダマシが発生した場合、誤った取引をして大きな損失を抱えてしまうこともあります。

例えば、レンジ相場と呼ばれる一定の金額の範囲内で延々と取引が行われている状態では、シグナルが誤って表示されることも少なくありません。

そんな状態で通貨を買ったりすれば含み損を抱えることもありますし、売れば利益の機会損失を起こします。

一目均衡表は価格が上昇したり、下降したりといったトレンド相場では強さを発揮しますが、レンジ相場では精度が不十分なことも少なくありません。

売り買いのポイントを知るのが遅れやすい

シンプルで分かりやすい指標として有効な一目均衡表ですが、これは売買のポイントが遅れやすい傾向にあります。

確かに1日足などを使った数日単位のスイングトレードといった長いスパンで取引をしている分にはある程度有効です。

しかし、スキャルピングなど非常に速い頻度でFXを行う場合は、シグナルのタイミングが遅く感じられることも少なくありません。

シグナルが出て売り、あるいは買いの注文を出そうとしたら、もう相場が次の場面に行ってしまったということもありえます。

そのため、早い取引には使いにくいので注意です。

ラインのもつれあいが起こる

一目均衡表によって表示される多くのラインで、もつれあいが起こる点にも注意です。

先行スパンだけ、雲だけの表示などシンプルな状態にすればある程度回避できますが、市場は複雑に動くこともあります。

そのため、指標となるラインがもつれあって、シグナルやトレンドが分かりにくくなることも少なくありません。

更に1時間足や1分足など短いスパンの表示で取引をすると、そのもつれあいだけでなく、ダマシも増えてきます。

こういった状態になると、どの指標を信じていいか分からなくなりますから、注意が必要です。

『FX【一目均衡表】主な手法や雲だけを利用した方法、注意点など』のまとめ

一目均衡表は、その特徴からシンプルで分かりやすく、売買のシグナルやトレンドの強弱、そしてこれからの予測を立てるのに有利な指標です。

しかし、注意点でもお話しした通り、ダマシの多さが出る局面や精度が不十分な状態に陥ること、レンジ相場では弱いということなどデメリットもあります。

そんなデメリットを補うためにも他の指標、例えばMACD、スーパーボリンジャーとスパンモデルなどを利用しつつ取引を行うのが大きな損失を出さないためのセオリーです。

個人的には、移動平均線(MA)との組み合わせがオススメです。

もちろん分かりやすい指標なのでFXを始めたばかりのトレーダーの方は、最初に表示させたい指標としておすすめします。

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