値動きの激しいFXでは、利益をすぐに確定するデイトレードが精神的には負担がかかりません。
ですが、ある程度経験を積んできたら「スイングトレード」を交えてみるのも一つのテクニックとなってきます。
スイングトレードを上手く活用すれば、デイトレードよりも大きな利益を狙うことも可能です。
さて、このスイングトレードは具体的にどんなものなのでしょう。
Contents
スイングトレードとは?手法やメリット、使用する時間足など
スイングトレードは頻繁に取引をするわけではなく、最低でも1日以上はポジションを持ちます。
独特な部分もあるため、デイトレードと比較しながら解説していきます。
1日以上ポジションを持つのがスイングトレード
「スイングトレード」というのは、一般的に2、3日から1週間ほどポジションをもち続けてトレードする手法を指します。
一方で「デイトレ―ド」というのは、数分~1日で売買を繰り返す短期のトレード方法です。
日をまたいで持ち越すのがスイングトレード、1日以内にポジションを決済するがデイトレードと考えると分かりやすいでしょう。
なお厳密にいうと、スイングトレードもデイトレードも明確な言葉の定義というのはありません。
中には「1週間以上ポジションを持つのがスイングトレードだ」と考える人もいます。
スイングトレードのメリット
スイングトレードはデイトレードよりも保有時間が長くなるため、相場の流れに上手く乗れればデイトレード以上に大きな利益を狙えるというメリットがあります。
例えば、ドル円であれば、1日のデイトレードで狙える値幅はせいぜい0.5銭程度です。
一方でスイングトレードで数日持ちこせば、1円~2円程度の値幅が取れることもあります。
また、スイングトレードの場合、デイトレードのように常に画面に張り付く必要はないため、時間のないサラリーマンなどでも活用しやすいメリットもあります。
チャートは「1時間足」以上を使う
スイングトレードを行う場合、「ファンダメンタルズ分析」よりも「テクニカル分析」を重視するのが一般的です。
スイングトレードのテクニカル分析では、最低でも1時間足以上のチャートを使うのが望ましく、2時間足や4時間足、日足や週足の形もチェックしておきたいところです。
エントリーの際には1分足や5分足も活用して微調整するのもよいですが、デイトレードではないため短期の分足チャートだけで判断することは避けるべきです。
スイングトレードでオススメのテクニカル分析(ラインやインジゲーターなど)
スイングトレードで利益をあげるためには、具体的に何を基準にトレードをすればよいのでしょう。
以降では、スイングトレードでのテクニカル分析の方法やエントリーのコツを解説していきます。
トレンドラインを活用
スイングトレードの場合は1日以上ポジションを保有することになるため、リバウンド狙いのような短期の「逆張り」はリスキーです。
今の「トレンド」を見極め、素直にトレンドの方向にポジションを「順張り」したほうが勝率は上がりやすいでしょう。
上昇トレンドの場合であれば、安値同士を結んだ「サポートライン」を引き、サポートラインまで落ちてきた時が買い時となります。
下降トレンドの場合は、高値同士を結んだ「レジスタンスライン」を引き、レジスタンスラインまで上がってきた時が売り時となります。
ゴールデンクロス、デットクロスを活用
移動平均線の短期線と長期線がゴールデンクロス(デットクロス)している場合は、その後の動きを予想しやすくなります。
スイングトレードでは、1分足や5不足などではなく、最低でも1時間足以上の長期チャートでゴールデンクロス(デットクロス)が出ているかを確認するのがポイントです。
4時間足や日足などでゴールデンクロス(デットクロス)が発生していればその意味はより大きくなり、狙いどころとなります。
直近の高値、安値を更新
チャート上の直近高値を更新した場面では上昇の力が強いため買い場となり、逆に安値を更新した場合は下降の力が強く売り場となります。
直近高値、直近安値を見る場合においても、スイングトレードではできるだけ1時間足以上の長期チャートで見ることが大切です。
例えば、日足チャートの高値を数日ぶりに更新したような場面は、買いの力がとても強い状態であるため買いの狙い目となります。
ただし、高値更新、安値更新からの騙しのようなこともありますので、チャートの形を過信しすぎるのにも注意です。
FX初心者がスイングトレードをする際の注意点を解説!
スイングトレードはデイトレードよりも難易度が高めであり、リスクも大きくなります。
特に初心者は失敗してしまうことも多いため、スイングトレード特有の癖や注意点を理解しておく必要があります。
「レバレッジ」を高くし過ぎない
デイトレード感覚で何十倍ものレバレッジを効かせてスイングトレードを行うと、いとも簡単に資産が半減してしまうこともあります。
特に海外FX口座を用いた何百倍ものレバレッジを掛けたトレードはスイングトレードには不向きです。
スイングトレードはできるだけ低レバレッジで行うことが大切であり、初心者の場合は高くともレバレッジ10倍程度に抑えておくのがよいでしょう。
損切りのルールを決める
スイングトレードは流れに乗れれば効率よく利益をあげられますが、予想が外れ逆方向に相場が動いた時にはズルズルと損失を増やしやすいです。
例えば、「損失が増えているけれど、せっかく数日スイングしたのだから、もう少し持っておこう」という心理が働いて「損切り」ができないと、最終的に取り返しのつかない額の損失になってしまうこともあります。
そのため、失敗しないためには自分の中で損切りのルールをしっかりと定めることが大切です。
もしくは「逆指値(ストップ注文)」の機能を活用し、システム側で自動的に損切りを行って貰うのも一つの方法です。
なるべく土日は持ちこさない
為替市場は土日は休みですが、土日の2日の間に世界情勢などが大きくかわると月曜日の明けで為替相場が乱高下し大きな損失が発生することもあります。
また、月曜日になると週足チャートのローソク足が更新されるため、前週と流れが一変することもあります。
土日をまたぐスイングトレードというのは上級者向けであり、強い確信でもなければ、なるべく土日の持ちこしは避けるのが賢明でしょう。
重要イベントに注意
「大統領選挙」、「雇用統計」、「FOMC」などの重要イベントは、為替相場の動向に大きな影響を与えることが多いです。
重要イベント前後で相場の流れがガラリと変わり、影響が数日以上も続くこともあります。
重要イベントを控えている際にはファンダメンタルズ分析も入念に行い、経済や為替相場がどこに向かおうとしているのかをよく見極めた上でトレードすることが大切になります。
先が読めない場合は敢えて取引をしない、もしくはデイトレ―ドなどに移行するというのも一つの策です。
『FXのスイングトレード|オススメのテクニカル分析は?メリットや注意点』のまとめ
スイングトレードは独特の癖もありますが、上手く扱いこなせるようになれば強い武器となってくれます。
特に、大きなトレンドが出ているような場合ではデイトレードよりも効率よく稼ぎやすい手法となります。
ただし、動きの激しい為替相場で何日もポジションを保有し続けるというのは簡単なものではなくリスクも大きくなります。
最初は無理をせず低レバレッジで練習し、少しずつ慣れていくのがよいでしょう。