平行チャネルを引くことにより、多くのトレーダーが意識していると思われる、値幅やトレンドを見つけることができます。
トレードではまず平行チャネルを引いて、ラインが意識されているのか確認することが大事であり、多くの相場がレンジ相場ですから、平行チャネルで跳ね返されると想定した上で環境認識をしましょう。
Contents
平行チャネルのメリット
相場の環境認識をする上で有効な平行チャネルのメリットを挙げます。
有効な平行チャネルを引くことによりトレンドを理解することもできます。
トレンドが確認できる
多くのトレーダーが意識しているのはトレンドです。
トレンドの方向や強さを認識することで、チャートがどこに向かっているのか、どこまで向かっていくのか、大方の判断材料となります。
トレンドが形成されており、そのパターンや波に規則性があるほど、共通認識を持つことになりますので、チャートの押し目やエントリーも分かりやすくなる傾向です。
単純に平行チャネルが上向きか下向きかでトレンドの方向を判断することもできますし、ある程度の値動きの転換ポイントも捉えることができますので、その押し目を想定することで、より安全な押し目ポイントを意識できます。
ボラティリティを意識
値動きの勢いの強さや変動幅のことをボラティリティといいます。
平行チャネルでも、このボラティリティを意識することで、チャートの傾向を掴み取ることができますので、トレードに有利に働きます。
トレードで収益を上げやすい形か、または取りにくい形か判断が可能です。
平行チャネルの傾きが急なほど、一方向に強いバイアスが掛かっている証拠であり、大きなトレンドが発生していると判断できます。
またチャネルの幅が広いと、乱高下をしている状況だと分かります。
こういう場合はトレンドの順張りでなくとも、レンジトレードで値幅が取れます。
逆に傾きが弱く、幅が狭いレンジで推移しているようなチャネルは、相場の強弱が拮抗していてトレンドが掴めない状況となりますので、利益を取りにくい難しい相場という判断です。
リスクリワードの把握
トレードをする場合、平行チャネルをトレード方針にしてもいいでしょう。
例えばエントリーポイントと、利益確定ポイント、ロスカットポイントの目安です。
チャネルトレードでも値幅と到達ポイントの予測ができれば、そのラインを越えたらロスカットするというルールも設定しやすくなります。
平行チャネルを引いてリスクリワードの有利なポイントを導き出すというのは、非常に大事なポイントとなるでしょう。
多くのトレーダーが平行チャネルを意識していますので、ロスカットポイントも共通するラインである場合が多いのです。
平行チャネルの活用方法
平行チャネルの活用法について解説します。
基本平行チャネルだけでトレードしている億トレーダーの方もいますし、複雑なテクニカルインジケータだけに頼らなくとも、有効なチャネルを意識することだけでも分かる事実がたくさんあります。
それだけ平行チャネルは、相場環境を認識する上で奥が深いのです。
3点を意識してみる
平行チャネルは直近高値や安値を結んでラインを引きますが、基本2点があればラインを引くことはできます。
ですが2点の場合は、トレーダーによっても引き方がバラバラで、解釈が異なる場合も出てきます。
なので、安値を2点と高値を1点などハッキリとした突出した動きが見られるポイントで、3点を見つけてラインを引くことをおすすめします。
また高値安値の3点支持の平行チャネルはハッキリとしたトレンドシグナルを示唆します。
平行チャネルを意識している傾向として捉えることができますので、この3点支持の平行チャネルを見つけたら、トレンドのシナリオを描いてみましょう。
サポートとレジスタンス
平行チャネルが上向きであれば、上の平行線はレジスタンスライン、逆に下の平行線はサポートラインとなります。
これに中央のセンターラインも意識されることがあります。
このセンターラインで折り返して、レンジで推移することも珍しくないです。
トレード方針としては、これらのラインを背に逆張りすることになります。
ロスカットはそのラインを逆にブレイクしたら切ります。
できるだけラインを引きつけてエントリーすることで、ロスカット基準であるサポートラインまでの距離が短くなりますので、損失を限定的にすることができます。
1時間足以上の長い足で機能
平行チャネルは長い足ほど有効に作用します。
特に1時間足以上の長い足は、平行チャネルが強く意識されますから、相場環境認識は長い足で行った方が良いでしょう。
スキャルピングやデイトレードなど短期トレードでメインにする5分足など、短いチャートの平行チャネルはブレイクされるケースが多いので、目の前の動きだけに囚われていると方向感を失いがちです。
ですから短期トレードにおいても、1時間足などの長い足で平行チャネルを引いて、その場のポジショニングを意識した方が、方向感を持ってトレードできます。
平行チャネルを活用する際の注意点
平行チャネルを活用する際の注意点について解説します。
チャネルを引いたからといって、そのラインが必ずしもライン通りに、機能するかどうかは分かりません。
ラインに忠実かどうかを判定するのも大事ですが、それよりもラインを挟んでの売り買いの攻防をよく見極めましょう。
ラインブレイクについて
このサポートとレジスタンスは、ラインがブレイクされるたびに、逆転しサポートがレジスタンスに、レジスタンスがサポートになります。
このラインブレイクは直後は特に勢いが出ますので注意が必要です。
大きな節目のラインであれば、一斉のロスカットが発生するからです。
ブレイクした後は、抜けたラインを試しに戻りますので、そこで再度跳ね返される動きがあった時点でロスカットをしても良いでしょう。
逆に利益を狙う場合も、抜けたからエントリーしても戻る可能性があるので、抜けたラインを跳ね返される第二波で入るのが確実です。
オーバーシュートや窓
平行チャネルを騙す動きには注意が必要です。
オーバーシュートでブレイク突破したときの判断は難しいです。
大きくヒゲを付けて戻ってくる場合もありますし、ラインで跳ね返されて、チャネルに戻らずに動く可能性もあります。
いずれにしましても、ラインブレイク後の戻りの動きに注意を払いましょう。
平行チャネルはヒゲで引く人もいますし、ヒゲを無視して終値で引く人もいます。
微妙に解釈がズレますから、オーバーシュートや窓で抜けても、チャネルが意識されているのかは抜けた後のサポートやレジスタンスが転換したのか、事実確認を優先するということです。
他のテクニカルと併用する
平行チャネルだけでトレンドを判断せずに、他のテクニカルなども併用して精度を高めることが大事です。
特に1時間足や日足でチャネルを背にエントリーした場合でも、逆行すれば勢いがあるのでかなりの損失になります。
長い足のライン近辺におけるポジション争いの攻防は、逆に作用すると一斉にロスカットが入りますから値が飛びやすくなります。
短期のチャートは平行チャネルのブレイクが既に起きているということです。
そのために短い足での短期相場の検証も必要になります。
また精度を高める意味でも他の移動平均線などのテクニカルも併用します。
MTF(マルチタイムフレーム)で上位足の移動平均線も表示できますので、平均線の向きなども考慮に入れるのをオススメします。
「FX【平行チャネル】メリットや活用方法、注意点について解説!」のまとめ
平行チャネルは多くのトレーダーが判断する上で、ベースとなるテクニカルです。
1時間足から日足までの長い足ではしっかりと機能します。
その大きな流れの中で短期トレードをする場合でも、バイアスに巻き込まれずに、ポジションコントロールができます。
平行チャネルの中央付近の値動きは予測がつきにくいです。
できれば平行チャネルのサポートかレジスタンスまで待ってから、その転換の動きを確認後に逆張りエントリーをしていきましょう。
平行チャネルでシナリオを立てて、トレードの方針を決めていくことができます。
そしてラインの攻防においてはトレーダーの心理を読み解くこともできます。