「どうして一瞬にして相場が変動したのか分からない…」
FX取引をしていて、こんな経験をしたことはありませんか?
しかし、相場は画面の向こう側にいる人間とのやり取りなので、ある程度は対策が可能です。
泣き寝入りしなくて済むように、今回はストップ狩りの手法と対策を詳しく解説しましょう。
Contents
大手ファンドが行う「ストップ狩り」の手法とは?
FXのストップ狩りとは、大手ファンドが行う手法のことです。
3兆ドルを超える資金を持つと言われる大手ファンドは個人投資家と異なり、相場の動向を受け身に見るのではなく戦略を持って攻めてきます。
逆指値注文(ストップロス)が狙われる
FX取引をする投資家の多くは、下落相場になった場合に大きな損失を被らないように逆指値注文(ストップロス)を設定します。
逆指値注文とは、現在よりも不利な為替レートになったら約定する注文です。
いわゆる損切り。
例えば、ドル円のロングを1ドル=100円で注文した際、「99円になったら損切りをする」というストップロス注文も同時に設定します。
ファンドはこの逆指値注文を標的にストップ狩りを行います。
逆指値注文が溜まっている価格まで円を売り浴びせ、円相場を下落させることで逆指値が設定されたあたりの注文を約定させていきます。
すると、その勢いを一緒に上乗せされて円相場は更に下がります。
大きく下がったことで、ファンドは利確の決済を入れるわけです。
大手ファンドの利確(買い)によって、今度は相場は元に戻るように上昇します(大きな下ひげが完成)。
これが、大手ファンドによるストップ狩りの正体です。
ストップ狩りが起きた時は多くの投資家を巻き込む
事前に設定された逆指値注文まで為替レートを落とすことで、ファンドは大規模な利益を得ています。
この手法は、逆指値注文をしている方だけ注意すれば被害は被らないように思えますが実際は違います。
大手ファンドの売り浴びせと逆指値注文による約定で大きくレートが落ち込んだのを見ると、浮き足立つ投資家は少なくありません。
初心者トレーダーを中心にパニック売りが起きるため、ストップ狩りは想像以上に相場が落ち込む可能性があり危険です。
個人のトレーダーがストップ狩りに遭わないためにできる対策
ストップ狩りは、投資家の知らないところで仕掛けられる可能性が高いため、回避が難しいです。
そこで誰にでもできる効果的な対策を紹介しましょう。
逆指値を設定しない
ストップ狩りでファンドが利用するのは、損切り注文による為替レートの急下落です。
大手ファンドは逆指値が設定されている為替レートを予想するのが巧みですから、初心者は市場の値動きによっては逆指値が予測されてしまい、大胆に売り浴びせるケースもあります。
全ての問題は逆指値を設定することです。
逆指値を設定しなければ、売買が実行されて為替レートの大きく変動することはありません。
ストップ狩りは回避できます。
あくまでストップ狩りを回避する方法です。
「ストップロスを設定しない時はレバレッジをかけない」などのリスク管理は徹底しましょう。
逆指値を複数に分けて設定する
逆指値注文をひとつにまとめると取引を把握しやすく売却時の手間を最小限に抑えられますが、その分ストップ狩りの被害額は増大します。
そのため、ストップ狩りの被害を減らすには逆指値注文を複数持つのが有効です。
取引を約定する為替レートを、普段よりも低くした逆指値注文も用意しておけば、資金の一部が回収できます。
もちろんストップ狩りを回避できた場合は、為替レートが上昇したところで売却しましょう。
損失を補填し、利益を生み出す可能性もあります。
読まれやすい逆指値を利用しない
ファンドが予想した逆指値が、自分のものと違っていれば大きな損害は受けません。
そのため、ファンドが逆指値だと判断しやすい価格帯を把握して、そこに逆指値を設定しないように注意しましょう。
ファンドがストップ狩りを考える価格帯には次の特徴があります。
- 投資家が「ここから底だ」と考える価格帯
- 切りの良い価格帯
- 最近の底値
この価格帯を避けるだけでも、ストップ狩りの被害額は大きく低下するでしょう。
OANDAの板情報が非常に便利
海外のFX会社であるOANDA(オアンダ)が提供する板情報は、業界でも利用者が多い便利なツールです。
直感的に板情報を見ることができるので、どの価格帯に今ストップロスが溜まっているのか把握できます。
気になる方は以下のページをご覧ください。
「FXにおける「ストップ狩り」とは?大手ファンドへの対応策を解説!」のまとめ
突如として発生するストップ狩りは、大手ファンドが全力で仕掛けてくるものですから確認した後では対処が非常に難しいです。
短時間で勝負が決まるので、チャートで動きを確認している間にやられてしまいます。
資金に余裕があればストップ狩りに便乗して底値で通貨を購入できますが、どこまで落ちるかファンド以外の人間には分かりませんから初心者が買い増しで対処するのはオススメできません。
被害を被ってからでは遅いですから、自分の目が届かない時間帯は資金を回収しておくことも検討してください。