ユーロ(EUR)はFXでよく通貨ペアの一方として用いられています。
日本円やアメリカドルとの組み合わせは特に着目されることが多いですが、ユーロはどのような特性を持っているのでしょうか。
ユーロを使うのが自分にとって合っているのかどうかをよく見極め、社会情勢に応じた適切な取引を行えるようになりましょう。
Contents
FXにおけるユーロ(EUR)の特徴や役割
FXではユーロが大きな役割を果たしていて、世界中のFXトレーダーが活用しています。
世界で取引されている通貨の中でどのような位置付けなのでしょうか。
第二の基軸通貨
ユーロは第二の基軸通貨と呼ばれるようになっていて、アメリカドルに続いて世界の経済を牛耳る重要な通貨としての立ち位置を獲得しています。
ユーロは先進国が多いヨーロッパ経済圏の共通通貨なので、その構成国の経済状況を大きく反映します。
どの国も世界各国と輸出入による商取引を行っていることから、全世界に与える影響が大きいのが特徴です。
そのため、ユーロの値動きは構成国だけでなく世界各国の影響を受けることが知られています。
世界第二位の取引量
ユーロは為替取引においてアメリカドルに続く取引量を誇っているのも特徴です。
第二の基軸通貨になっている根拠の一つでもあり、FXでは値動きの激しい時間帯もあれば、安定したトレンドが発生する時間帯もあります。
取引量が多いことによってメリットもデメリットも生じることから、FXでは慣れるまでトレードをしづらいという意見も多い通貨です。
ただ、パターンがわかりやすいことから、慣れると安定した利益を得ることも難しくありません。
中心はドイツとフランス
ユーロの特徴としてヨーロッパ連合本体の意思決定だけでなく、加盟国全体の政治や経済の動向による値動きが起こることが挙げられます。
しかし、実際に大きな上下動を起こす要因となっているのはドイツとフランスの経済です。
イギリスが脱退したことによってドイツとフランスの二国が大きな影響を与えるようになっています。
GDPなどを参考にして取引を進めると失敗のリスクが低く、今後のトレードの方針も立てやすいことが知られています。
ユーロ(EUR)はどんなニュース(指標など)に反応しやすい?
ユーロを利用してできるだけ大きな利益を得たいと考えると重要になるのが経済指標などの大きな変動要因です。
全体的な特徴を把握してトレードに生かせるようになりましょう。
ユーロ全体の経済に依存する
基本的にユーロは構成国のどの国における経済指標の発表でも大きな変動を起こします。
影響力が高いドイツやフランスはもちろんですが、ギリシャやイタリアなどの経済の動きが大きな変動の要因になったこともたくさんあります。
基本的にはGDP、失業率、消費者物価指数に加え、IFO景況感指数が注目すべき点です。
また、ECBと呼ばれる欧州中央銀行が政策金利を発表すると相場が乱れやすいので注意しなければならないでしょう。
軍事関連の不安
ユーロは経済的にも政治亭にも世界への影響力が大きいヨーロッパ諸国の共通通貨なので、国際情勢による影響も大きく受けます。
軍事関連のニュースによってユーロの相場が乱れて急落を起こすことがよくあります。
ユーロ経済圏における紛争の勃発はもちろんですが、関連性があまり見出せない地域での紛争やミサイルの試験などでも不安が生じ、ユーロが下落する傾向があります。
ただ、他国での紛争の影響を受けてユーロが買われるケースもあるので注意が必要です。
米国雇用統計の影響
ユーロ圏とはあまり関係がないと思われがちですが、ユーロはアメリカの経済の影響も受けます。
世界の基軸通貨として、上位に位置するアメリカドルを大きく揺らがせるような経済要因があるとユーロの急変も起こります。
代表的なのが米国雇用統計で、毎月最初の金曜日に発表されています。
失業率の変動が大きく影響を及ぼし、一般的には下がったときにだけ相場が乱れる傾向があります。
非農業部門雇用者数の影響も加味してトレードをするとなお良いでしょう。
ユーロ(EUR)を含む通貨ペアでFXをする際の注意点
ユーロを使う通貨ペアに着目するときには、何に注意するとリスクを下げて運用できるのでしょうか。
効果的な運用をするための基本を理解しておきましょう。
ロンドン市場が開いた直後は荒れやすい
FXではユーロの動きを考えるときにロンドン市場に着目するのが一般的です。
通貨ペアとしてユーロとの組み合わせを考えた際には、ロンドン市場が開いた直後はリスクが高いので取引を避けるのが無難です。
市場が開いた直後に取引を開始するトレーダーが多い影響で相場が乱れる傾向があります。
それを狙って短期トレードで稼ぐという戦略もありますが、予期せぬ値動きによって失敗するリスクが高いことには注意して取引を進めましょう。
ロンドン市場の時間はトレンドの転換が起こりにくい
FXではトレンドの転換を狙ってエントリーすることも多いですが、ロンドン市場が開いている間は逆張りによる利益を得るのは難しいので注意しましょう。
取引量が多い影響で特別な理由がない限りはトレンドが継続する傾向があります。
順張りでは成功する可能性が高いという点では魅力がありますが、ロンドン市場の時間帯には各国の経済指標の発表が相次ぐのも特徴です。
想定外の値動きを起こすこともあり得るので気を付けましょう。
アメリカ経済の確認も必要
ユーロを中心とした取引をしているときにはEU加盟国の動向にばかり注目してしまいがちです。
特にアメリカドル/ユーロの取引をしていないときに気をつける必要があるのがアメリカの動向です。
雇用統計の発表に限らず、アメリカ経済の影響はユーロの値動きに大きな影響を与えます。
ユーロを使うのであればアメリカの経済ニュースには目を通し、政治や経済の動向をつかんでリスクの高い取引を避け、明確な値動きをするタイミングを見計らうのが大切です。
「ユーロ(EUR)」のまとめ
ユーロは世界の基軸通貨であるアメリカドルに続く取引量があり、FXでは通貨ペアの1つとしてよく選ばれています。
ただ、何事も起こっていないときには取引量が多い影響で安定したトレンドを持つ傾向があり、順張りによる利益を上げやすいのが魅力です。
経済指標などの発表時刻を管理して取引を進めていくと、ユーロとの通貨ペアは安定して利益を得られる可能性が高いのがメリットです。