アメリカと国境を接し、人的、経済的にも深いつながりがあるのがメキシコです。
そんなメキシコペソとはどのような特徴があって、どのような指標やニュースに反応しやすいのか、そんな疑問に対して項目ごとにまとめました。
これを読めばきっとFXにおけるメキシコペソについて様々な情報を得ることができるのではないでしょうか。
それでは紹介していきましょう。
Contents
FXにおけるメキシコペソ(MXN)の特徴や役割
メキシコペソは新興国通貨として注目されている通貨の一つです。
これらについて解説します。
政策金利が高い
メキシコペソは政策金利が高いというという特徴があります。
政策金利という言葉を出すと難しくなるため、簡単に言えばFXの場合メキシコペソを持っていると利息が多めにつくということです。
FXにはスワップポイントといわれる、持っているだけで一定時間がたつと利息が入ってくることがあります。
日本の場合は、マイナス金利なので日本円を持っているとわずかにお金が引かれていきますが、メキシコペソは4.25%(2020年9月時点)なので、日本円との通貨ペアの場合、50万円ほど(約10万通貨)保有していると毎日60円ずつ増えていきます。
これは非常に高いレベルです。
安く購入できる
メキシコペソはとても安いのも特徴です。
やや不安定に推移することもありますが、1メキシコペソあたり約5円で購入できます。
これは必要な証拠金を用意するうえでとてもメリットがあり、簡単に言えば少しのお金で始められるということが言えます。
実に最低購入金額は日本円米ドルに比べて日本円メキシコペソの方が20分の1の金額を用意すればスタートできるのです(1米ドル100円の場合)。
とにかく少ないお金でFXをしたいと思っている方には有利かもしれません。
新興国通貨としては比較的安定
新興国通貨はメキシコペソ以外にもトルコのトルコリラ、南アフリカ共和国の南アフリカランド(南アランド)が有名です。
しかし、これらの通貨は政情不安であったり、経済の浮き沈みが激しいことから通貨の価格がとても不安定になることも少なくありません。
そんな中でもメキシコペソは政情も新興国としては比較的安定し、経済もアメリカの工場誘致などに成功しているため安定しています。
こういった他の新興国にはない強みを持っているのも比較的通貨の価格が安定している特徴です。
メキシコペソ(MXN)はどんなニュース(指標など)に反応しやすい?
メキシコペソは、FXにおいて様々な通貨と同様にニュースや経済指標などによって価格変化が起こります。
これらについてもまとめました。
資源価格
資源価格とは原油価格や木材、金属、食料などの価格です。
メキシコは新興国の中でも製造業が比較的発達していることやメキシコ湾に油田を持つことから、産油国の顔も持ちます。
そんなメキシコは、特に原油価格の影響を受けやすく、原油が安くなるとメキシコペソが安くなる傾向にあります。
このような特徴を持っているので、メキシコペソを見る時は原油価格の暴落などにも注目して取引していく必要があるでしょう。
アメリカの経済指標や政策
メキシコペソはたしかに自国の経済指標や政策も影響を与えますが、特に影響を与えるのはそれ以上に隣国アメリカの経済指標や政策です。
つまり、アメリカが不景気になればアメリカに製品を輸出しているメキシコは経済にダメージを受けメキシコペソの価格が下がります。
また、アメリカがメキシコに圧力を加える政策(国境の壁建設やメキシコ移民の締め出しなど)を行っても価格は下落します。
反対にアメリカの経済指標がよく、メキシコに寛容な政策を取れば価格は上昇するでしょう。
メキシコ中銀の政策金利
メキシコの中央銀行が定期的に発表する政策金利はメキシコペソの価格に影響を与えます。
メキシコペソのFXにおける売りは金利の高さです。
この金利に対して仮にメキシコペソを発行するメキシコ中央銀行が変更するようなことがあれば、大幅な価格の動きが起こるでしょう。
例えば、政策金利を今の金利(4.25%、2020年12月現在)より下げればメキシコペソも大量に売られて価格が下落しますし、上げれば魅力が増してメキシコペソを買う動きが起こって価格は上昇するでしょう。
メキシコペソ(MXN)を含む通貨ペアでFXをする際の注意点
メキシコペソは魅力的な特徴を持っている反面、注意が必要です。
これら3つの注意点についても解説していきましょう。
アメリカの動きで価格が大幅に変わる
アメリカの動きの影響がとても大きいという点に注意が必要です。
2020年代になってアメリカがメキシコへの圧力を強めています。
そういった背景から、アメリカの打ち出す政策にメキシコペソが非常に敏感に反応するようになりました。
そのため、新興国通貨としては比較的安定しているものの、価格の乱高下が発生しやすいというデメリットがより鮮明になってきています。
こういった点に注意して取引をしないと、朝起きたら価格が非常に低下していたということも珍しくないため、注意しましょう。
流動性が低い
流動性とは、通貨の売買の量です。
メキシコペソは米ドルやユーロなどに比べると明らかに流動性が低い傾向にあります。
この低さは、大口の投資家が一気にメキシコペソを買ったり、売ったりした際に価格が一気に変化するということを意味します。
ドルやユーロでは、国が介入したとしてもそういった変化があまりないくらい流動性が高いことがほとんどです。
一方メキシコペソの場合は、そういった国が動かなくとも大口投資家の取引でも価格の変化が大きいという点にも注意して取引を行う必要があります。
スプレッドが広め
スプレッドとは、通貨の売値と買値の差です。
一般にFX業者を介して通貨の売買を行いますが、実は1ドル100円だったとしても自分がドルを購入するときと売るときは、必ずしもこの価格で取引されません。
例えば、売値が101円、買値が99円といった形です。
この101円と99円の差である2円分、これがスプレッドになります。
このスプレッドは、状況によって変化することが多く業者によっても設定価格が異なります。
しかし、相場が不安定になるとそのスプレッドは広くなる傾向にあります。
こういった状況だと利益を出しにくくなるので注意しましょう。
「メキシコペソ(MXN)」のまとめ
メキシコペソは、新興国通貨として様々な特徴を持った通貨です。
実際にアメリカとのかかわりは深く、アメリカのニュースや経済指標といったものに敏感に反応する特徴を持っています。
新興国通貨として、やや不安定な相場を呈することやアメリカの近年の圧力に対して影響を受けている面もあります。
そんな側面があるものの、価格が変化することで、その波に乗ることによって大きな利益を狙えるというチャンスも否定できません。
確かに初心者にはやや厳しいFXにおける通貨ですが、慣れてくれば大きな利益をもたらしてくれるポテンシャルを持っています。
慣れてきたタイミングでメキシコペソの通貨ペアに挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。