オーストラリアの東部に浮かび観光地や美しい景観が多くある島国、ニュージーランド、このニュージーランドには、法定通貨であるニュージーランドドル(以下、NZドル(NZD))が存在します。
これを読めばきっと、オセアニアエリアの人気通貨であるNZドル(NZD)について知ることができるでしょう。
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FXにおけるNZドル(NZD)の特徴や役割
NZドル(NZD)は日本のFXでも取引ができる人気の法定通貨です。
ここでは、この3つについて紹介していきましょう。
資源国通貨と先進国通貨の両方の性格を持つ
NZドル(NZD)は資源国通貨と先進国通貨の両方の性格を持っています。
これは資源の価格の影響を受けつつも先進国通貨として安定感があるということを意味します。
例えば、羊毛などの資源価格が上昇しても、その上昇は比較的少ないといったことが挙げられます。
資源国通貨であれば、一気に上昇する要因になりますが、先進国通貨としての安定感が影響し、上昇はそこまで大きなものではないのです。
当然下落に関しても影響はあるものの完全な資源国よりは軽微です。
国の規模の割に取引量が大きい
ニュージーランドは、羊の数の方が国民よりも多いというジョークがあるくらい、先進国としては規模の小さな国です。
そういった特徴に対して、自国で発行しているNZドル(NZD)は、国の規模の割に取引量が大きい通貨として知られています。
人口ベースでは世界の中位にも入らないくらい少ない国なのですが、NZドル(NZD)の取引量は世界のトップ15位に入る年も少なくありません。
このように取引量が多い通貨のため、価格も比較的安定しています。
オーストラリアドルとの連動
国の成立の時代にさかのぼるくらい隣国オーストラリアとの関係は非常に密接です。
また、同じイギリスの植民地だったという背景から人的、経済的にも深いつながりを持っています。
当然通貨においても同様のことが言え、オーストラリアの発行するオーストラリアドルとの連携はリンクしているような動きさえするのが特徴です。
金融政策もオーストラリアと同時、あるいは後追いのような形で政策金利の決定なども行っています。
このような関係にあるため、オーストラリアドルの動向も注目する必要があります。
NZドル(NZD)はどんなニュース(指標など)に反応しやすい?
NZドル(NZD)は、発行数するニュージーランド自体が海外の経済に依存しているため、海外の経済指標の影響を受けやすいといわれています。
農作物の輸出量
ニュージーランドは、商業などが発達している反面、先進国でも有数の農業国です。
そのため、農作物の輸出を海外に積極的に行っている側面もあります。
また、輸出品目でも大きな割合を占める背景から農作物の輸出量の変化はNZドル(NZD)の価格に影響を与える要因でもあります。
こういった指標のほか、輸出国なので海外貿易の収支など貿易関連の指標もNZドル(NZD)に影響を与えやすい要因として知られています。
これらの指標を発表する前後に価格変化が起こりやすいので注視しましょう。
中国やアメリカ、オーストラリアの経済指標
先ほど触れたとおりNZドル(NZD)を発行するニュージーランドは、輸出国として知られています。
そのため、重要な貿易相手である隣国オーストラリアの他、最大貿易国であるアメリカや中国の景気にも左右されます。
これら3つの国の経済指標の発表時に連動して価格が動くことも多く、オーストラリアや中国で経済成長が鈍っているという発表やアメリカで失業者が増えているという発表があれば価格を下げることが珍しくありません。
もちろん逆もありますから、海外の動きにも注目してみましょう。
資源の価格
ニュージーランドは資源国通貨としての性格も持っています。
そのため様々な資源、特に農畜産分野の価格については、影響を深く受けやすい傾向です。
こういった特徴があるため、資源の価格にも注視して取引が必要といえます。
ただ、先進国通貨ならではの安定感もあるので、新興国通貨のような乱高下を起こすということは少ないという点にも留意して取引を行うようにしましょう。
急激な上昇を期待したのに、それほどでもなかったという状況も少なくありません。
NZドル(NZD)を含む通貨ペアでFXをする際の注意点
資源国通貨でありながら、先進国通貨のような安定性を持っているNZドル(NZD)ですが、FXを行う上で注意点もあります。
これらについても触れていきましょう。
一度の大きな利益が期待できない
一度の大きな利益が期待できない通貨という点に注意が必要です。
新興国通貨であれば、極端に安くなったタイミングで大量購入し、戻ったタイミングで売却することによって大きな利益を期待することができます。
しかし、NZドル(NZD)は価格が比較的安定している場面が多いので、こういったパターンの攻略は、ほとんどできません。
また、上昇するタイミングも不透明なことが多く、いつ売っていいのかわからなくなることも多いので注意しましょう。
海外の混乱に巻き込まれやすい
輸出国という特徴から海外の影響を受けやすいという点にも注意です。
自国内の指標以外にオーストラリア、中国、アメリカといった海外の状況もNZドル(NZD)に影響を与えるため、それらの国で様々な経済的、政治的混乱が起こった場合まともに影響を受けます。
こういった混乱に巻き込まれると先進国通貨でありながら時に価格の乱高下が起こることもあり、取引が難しくなる場合もあるのです。
安定していたのにいきなり不安定になるということもあるので、不穏な動きを感じたら余裕のある取引に切り替えていきましょう。
注目する要因が多い
資源国であり先進国、それでいて輸出国という性格を持っているのがNZドル(NZD)です。
そのため、一つの要因に注視して取引をしていると、大きな損失を起こすことも珍しくありません。
こういった特徴があるので、常に様々な要因に注目して行く必要もあります。
もちろん平時は「オージーキーウィ」と呼ばれるほどオーストラリアドルと連動性が非常に高いため、オーストラリアドルを見ていればいいのですが、そうでなくなる時のために他の指標も見なければいけません。
「NZドル(NZD)」のまとめ
NZドル(NZD)は、資源国通貨と先進国通貨の両方の性格を持った通貨です。
また国の規模に比べてNZドル(NZD)の取引量は多く、これも安定の要因となています。
くわえて隣国のオーストラリアの影響が大きくオーストラリアドルとの連動も特徴です。
そんなNZドル(NZD)ですが、資源の価格や隣国オーストラリア、最大貿易国である中国の経済指標に影響を受けることもあります。
このような点の他、安定しているがゆえに一度に大幅な利益が出せないという点にも注意しましょう。