金(GOLD・XAU)はFXトレーダーがしばしば注目して取引をしています。
XAU/USDやXAU/JPYが比較的よく選ばれている通貨ペアですが、本来通貨ではない金がなぜ着目されているのでしょうか。
また、金をトレードに取り入れていく上で押さえておきたい注意点についても説明するので、金を使って上手にトレードができるようになりましょう。
Contents
FXにおける金(GOLD・XAU)の特徴や役割
まずはFXでの金の特徴と役割について見ておきましょう。
トレードにうまく活用できるようにするための基礎知識を身につけて下さい。
有価資産としての安定性が高い
FXで金に着目する上で最も知っておくべきなのが有価資産としての価値の特徴です。
金はそれ自体に価値があり、通貨のように金融政策などの影響によって価値が決まるものではありません。
貴金属として世界的に重宝されている商品の1つなので、有価資産としての安定性が高いのが特徴です。
金相場は長期的な視点では安定して価格が上がっています。
この特性があることによってFXでは注目度が高まり、金をトレードに取り入れている投資家が多くなってきています。
経済リスクの回避先としての役割
FXで金が着目されるのは通貨と対比的な値動きを起こす可能性が高いからです。
例えば、インフレになって物価が上がると通貨の価値は相対的に低下します。
しかし、金は商品なのでインフレによって価値が上昇するので通貨とは逆方向の値動きを起こすことになります。
そのため、大きな経済リスクがあったときに回避先として金がよく選ばれています。
保有している通貨を金にしておくことでリスクの高い時期を乗り越えて戻すというのが典型的な戦略です。
長期利益を目指す取引でも注目される
金は長期的に見ると値上がりが起こっているのが特徴で、長期的に買いポジションを取ると値上がりして利益を生み出せる可能性が高いのが魅力です。
また、限月のルールがないので強制的に利益確定をさせられてしまうことがありません。
そのため、当面は金で運用しておくという方策を立てるのが容易です。
通貨同士の取引に使う予定がない資金をとりあえず金で動かしておいて、資金が必要になったタイミングで決済するというやり方もよく選ばれています。
金(GOLD・XAU)はどんなニュース(指標など)に反応しやすい?
金の相場がどのように動くかを考える上で、政治や経済の動きとの関連性を知るのは大切です。
何が金の価格を大きく動かすことが多いのでしょうか。
工業製品の需要の影響
金と関連が深いのが工業製品の需要です。
工業製品に金がしばしば使われているのも理由ですが、工業製品の生産や取引が伸びているときには一般的に経済が伸びています。
物価が上がる傾向も強いことから金が上がるのが通例です。
新しい製品が開発されて世界的に注目されたようなときには急変を起こすことがあります。
スマートフォンなどの貴金属を使っている製品の場合には特に影響力が大きいので、各社の発表には注意しなければなりません。
米国債の金利の影響
金の相場は金利の影響を受けることが知られています。
特にアメリカドルとの通貨ペアで取引をする場合には米国債の金利について改定の発表があるときには気を付けましょう。
米国債の中でも米国物価連動国債の影響力が大きく、利回りの変動に応じて金の価格が変動を起こします。
債券の利率が低下すると安定資産としての価値が低下するため、金に切り替える投資家が増えます。
結果といて金の相場が上がるという流れで変動を起こします。
米国での経済指標の発表
金相場は米ドルをベースにして決まっているため、基本的には米ドルの価値によって金相場は変動を起こします。
アメリカの経済状況がわかる各種指数は全て影響すると考えた方が良いでしょう。
最もよく知られている米国雇用統計は特に注意が必要で、非農業部門雇用者数の変化に伴う金相場の急変はしばしば起こります。
安定するのに数日かかることも多くて価格が戻ることもあるため、すぐに対応できなくてもあまり影響がない場合もあります。
金(GOLD・XAU)を含む通貨ペアでFXをする際の注意点
金を使ってFXに取り組む際には押さえておくと役に立つポイントがたくさんあります。
大きな失敗をしないために以下の点に留意してから取引を始めましょう。
米ドルの影響は常に受ける
どの通貨と金とのペアを選んだ場合にも米ドルの影響は常に受けるので動向を追う必要があります。
基軸通貨の米ドルに基づいて、金の市場価格が決まっている以上は避けられないことです。
世界経済の影響も受けますが、一般的には米ドルの価値を考えていれば大きな問題はありません。
ただ、日本円などとのペアで取引をするときには要因が複合的になるので値動きを読みにくくなる傾向があります。
初めから米ドルとのペアにすると注意すべき点がわかりやすくなります。
スワップポイントはマイナスになる
金はスワップポイントを目的とする取引にはあまり向いていません。
金は商品という性質上、保有していても金利が付くことはありません。
そのため、どの通貨を使ったとしてもマイナスのスワップポイントになります。
買いポジションを取るときには目減りしていくことになるのを念頭に置いて、利益を得られるかどうかを判断する必要があります。
売りポジションでの取引をするという戦略も考えられるので頭に入れておくと良いでしょう。
基本的に値動きが大きい
金相場は値動きが大きいのが注意点です。
長期的に見るとだんだんと値上がりしているのは確かですが、1日の間にはかなり大きな上下動を起こします。
日本の日中の時間帯は、金の価格に影響する動きがあまりないので横ばいを続ける傾向があります。
しかし、夕方以降になると活発な取引が行われて相場が乱れがちです。
数日単位で見れば動きがわかりやすいですが、デイトレードをする場合には慎重に取引をしないと損失を生むリスクが高いでしょう。
「金(GOLD・XAU)」のまとめ
FXでは金を使ってアメリカドルや日本円などとのペアで取引をすることができます。
それ自体が価値を持っている金は商品としての特性を持っていて、物価や金利の変動によって通貨とは違う挙動を示す性質があります。
アメリカドルに基づいて市場価格が決まっているため、金で取引をするときにはアメリカドルやアメリカの経済状況についての動向を理解することが大切です。
うまく運用すれば利益を得られる可能性が高まるので、金にも着目して運用方法を考えてみましょう。