豪ドル(AUD)はオーストラリアの通貨であり、米ドルとは異なります。
ニュージーランドドルと共に、「オセアニア通貨」と呼ばれています。
豪ドルはFX取引でもよく利用されており、資源国通貨としての特徴があります。
FX取引においては、米ドルのような値動きが安定的な通貨と比較すれば、豪ドルはある程度の値幅のある通貨です。
オセアニア市場が開く時間帯は、日本時間の午前中であり、時間帯によっても価格変動の違いがあります。
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FXにおける豪ドル(AUD)の特徴や役割
豪ドルの特徴は、世界でも指折りの資源国としての通貨であり、FX取引で人気通貨の一つである点です。
人気通貨とはいえ、米ドル、ユーロ、円のような取引量の多い通貨と比較すれば、豪ドルの規模は小さいです。
豊富な資源が経済基盤の通貨
鉄鉱石や石炭はオーストラリアの主要な輸出資源です。
そのため、これらの市場価格は豪ドルに大きな影響を及ぼします。
オーストラリアは金や銅などの産出も多く、FXで豪ドルを絡めた通貨ペアを利用する場合は、資源価格を注視する必要があります。
豪ドルは高金利通貨であったことから、スワップポイント狙いのトレーダーが多く利用していました。
しかし政策金利が引き下げられたことで、近年ではこの傾向は薄れています。
スワップポイントでの利用というかつての豪ドルの特徴は、今ではあまり効果がなくなっています。
中国経済への依存度が高い
オーストラリア経済の状況として重要な部分は、中国経済とのつながりです。
中国はオーストラリアにとって主要な貿易相手国であり、その傾向は年を追うごとに高まっています。
資源輸出も中国への依存度が高く、中国経済の状況はダイレクトにオーストラリア経済に響く状況になっています。
オーストラリアは安定的な経済発展を成し遂げており、輸出資源や埋蔵資源が豊富です。
しかし、資源輸入国の経済動向に大きな影響を受ける点にも注意が必要です。
主要通貨に比べて流動性は低い
豪ドルは、国内FX業者の取引通貨として高い人気を誇っています。
米ドルと比較してスプレッドは広めですが、それでも他の通貨と比較すれば手数料コストを抑えて取引が可能です。
近年の豪ドルは、スワップポイント狙いではなく、米ドルよりも価格変動の幅が比較的大きい点が、値幅を狙うトレーダーに活用されている傾向があります。
但し、FX全体の取引を考えた場合に、豪ドルが占める割合はそこまで大きくはありません。
豪ドルの流動性は低いため、状況によっては急な価格変動が起こる場合もあります。
豪ドル(AUD)はどんなニュース(指標など)に反応しやすい?
豪ドルの価格に影響を与えるニュースや指標は、様々なものがあります。
オーストラリア準備銀行(RBA)の発表、中国の経済指標の発表時、要人の発言など、意識する必要があります。
RBAの発表
オーストラリア準備銀行(RBA)の様々な発表は、豪ドルを取引する上で重要なファンダメンタルズです。
この発表によって、豪ドルの価格に大きな影響を及ぼす可能性があるからです。
政策金利、国内の失業率、消費者物価指数など、注目ポイントは複数あります。
金融政策の発表はもちろんのこと、RBAの担当者の発言によっても、豪ドルが大きく価格変動を起こす場合があります。
特に重要なのは政策金利の発表であり、豪ドルを取引する多くのトレーダーが自身のトレードに影響を与える指標になっています。
中国の経済指標の発表
オーストラリア経済にとって、対中貿易は要になる部分です。
対中貿易が鈍化すれば、オーストラリア経済全体の鈍化にもつながるリスクがあります。
そのため、中国が発表する各種の経済指標は、豪ドルにも大きな影響を与えます。
豪ドルを取引する場合は、オーストラリア国内の経済指標だけではなく、中国経済に対しても十分な意識が必要です。
中国の経済指標の発表は、豪ドルの取引を行う上で注目ポイントです。
中国のGDPやPMI、特に資源に関係する部分はしっかりチェックしておく必要があります。
世界経済の大きな動向
資源の価格は、世界経済の状況によって需要が変化します。
世界経済が順調に推移している時は、資源の需要も増え、安定的に資源価格が上昇する局面があります。
しかし世界経済が停滞すると、資源の需要も減るため、資源輸出国であるオーストラリアは打撃を受けやすい立場です。
世界経済は、最大の経済的パワーを持つアメリカの動向に大きく左右されます。
アメリカ経済の動向、経済指標の発表、要人の発言、政治的状況も常にチェックしておくことが大切です。
豪ドル(AUD)を含む通貨ペアでFXをする際の注意点
国内の主なFX業者は、ほとんどが豪ドルを扱っています。
スワップポイント狙いの通貨ペアという位置付けは、過去に比べて低くなっています。
オーストラリアの経済成長を期待したトレードや、ある程度の変動幅でより大きな利益を狙うトレードとして利用するケースが多いです。
米ドル円に比べてスプレッドは広い
豪ドルは、米ドルやユーロに比べて取引量が少ないため、各業者のスプレッドは広めの設定が多いです。
スプレッドは業者によって異なりますが、米ドル円の場合は0.2銭や0.3銭が主流です。
一方、豪ドル円は0.6銭や0.7銭が多く、米ドル円に比べてコスト負担がかかります。
売値と買値の差であるスプレッドは、取引回数が多ければそれだけコストが増えます。
スキャルピングのような超短期トレードの場合は、積み重なることで大きな手数料負担になります。
但し、新興国通貨やポンド円のような通貨と比較すれば、豪ドル円のスプレッドは狭いため、 全体としてみればコストの大きな通貨ペアというわけではありません。
中国との政治的状況に注意が必要
オーストラリアと中国の貿易環境は、政治情勢によっても大きな影響を受けます。
両国は政治体制が異なるため、時として摩擦が起こりやすい環境下とも言えます。
両国間で政治上のトラブルが起こり、例えば中国側が輸入規制を行うようなケースがあれば、豪ドルの価格にも影響を及ぼすことがあります。
資源輸出とは直接関係がなくても、政治上の摩擦は今後の経済情勢に対してトレーダーの不安が増す材料になります。
経済動向だけではなく、両国間の政治的状況も把握しておくことが、豪ドルを絡めた通貨ペアを取引する上で重要です。
流動性が米ドルやユーロに比べて低い
米ドルやユーロのように、極めて取引量の多い通貨であれば、価格のイレギュラーが起こりにくいメリットがあります。
もちろん大きな経済ニュースや政治状況によって価格が急激に変わることもありますが、少なくとも新興国通貨のような不安定さはありません。
豪ドルは先進国通貨ですが、それでも流動性が米ドルやユーロに比べて少なく、価格のイレギュラーが起こる可能性にも配慮が必要です。
特にオーストラリア国内の金融政策発表時には、価格が大きく動く可能性があるため、十分に注意する必要があります。
「豪ドル(AUD)」のまとめ
オーストラリアは、長年に渡って順調に経済発展をしている国の一つです。
資源の輸出量や埋蔵量の豊富さは、今後の安定的な発展が期待できる要因になっています。
資源消費国の経済が鈍化すれば、オーストラリアの資源輸出が減り、豪ドルの価格変動にもつながる可能性があります。
オーストラリアの貿易で大きな割合を占める中国経済の状況は、特に重要な部分です。
また、鉄鉱石などのオーストラリアの主要輸出資源の市場価格について意識しておくことも大切です。