日本円（JPY）は自国の通貨ということもあって最も親しみ深いでしょう。
それでも日本円がよく選ばれているのはなぜなのでしょうか。
ここでは日本円の特徴やFXにおける立場、値動きに影響する要因や日本円の通貨ペアを選ぶ上での注意点などを紹介します。
情報を得やすい通貨として有効活用していきましょう。
Contents
FXにおける日本円（JPY）の特徴や役割
まずは日本円のFXにおける取引通貨としての特徴を紹介します。
屈指の安定資産
日本円はFXで取引されている通貨の中でも、安定資産として着目されています。
日本円はアベノミクスなどの影響を受けて一時的に円安になりましたが、基本的に安定した価格を維持し続けています。
日本は貿易収支も黒字を続けていて経済的にも安定している国で、さらに平和宣言をしていて戦争に巻き込まれるリスクが低い点でも注目されています。
そのため、有事の円買いがよく行われる傾向が生まれているほどに信用を得ているのが日本円の特徴です。
USD/JPYは世界第二位
FXではUSD/EURに次ぐ世界第二位の取引量を誇っているのがUSD/JPYです。
単独の通貨で見ても日本円はアメリカドルとユーロに続いて取引量が多くなっています。
上位の二通貨とはほとんど市場の開いている時間が重なっていないのも特徴で、相場の急変が起こりにくい傾向があります。
USD/JPYは値動きが滑らかでわかりやすいことからFXの初心者からはよく選ばれています。
ただし、他の通貨ペアについては値動きが激しいものもあるので注意が必要です。
相手通貨の影響が大きい通貨
日本円はFXではペアにした相手通貨の影響を受けやすいのが特徴です。
日本円は世界的に見て価値が安定している通貨なので、他国の通貨に比べると激しい値動きを起こしません。
そのため、相手国の通貨の値動きが直接的な形で通貨ペアの価格の変動につながることが多いのです。
USD/JPYの値動きがわかりやすいのは、アメリカドルが世界の基軸通貨として注目されていて、価格の変動に関わる要因がトレーダーの間でもよく知られているからです。
日本円（JPY）はどんなニュース（指標など）に反応しやすい？
日本円の価格相場はニュースや経済指標などによって動くことがしばしばあります。
よく注目されていて重要度が高いものを解説するので、相場を読む際の参考にして下さい。
為替の誘導になる要人の発言
日本円の価格に大きな影響を及ぼすのが要人の発言です。
日本の政府や政治家が、経済を揺るがすような発言をうっかりこぼしてしまうことはしばしばあります。
その発言が原因で市場が動揺し、急に円が売られるケースも過去に何度も起こっています。
経済指標の発表なども影響があるのは確かですが、短期的にはニュースなどで要人が会見をしたときに、意図していたかどうかにかかわらず口にした一言の影響で急変が起こることが多いので注意しましょう。
日経平均株価の影響
日本円は、日経平均株価などの日本の株価指数による影響を大きく受けます。
日経平均株価が上昇すると、日本円は安くなるというのが一般的な法則です。
そのため、株価に影響を与えるような要人の発言や社会情勢の変化を追う必要があります。
円の相場の変動と株価の動きのどちらが先行するかはケースバイケースですが、連動して動くので注意しましょう。
株トレーダーがFXに転向して成功している理由として、円と株価の関連性が深いことも良く指摘されています。
戦争や紛争などによる社会不安
世界的に不安が広がるような社会情勢が生まれたときにも、日本円が買われて価格が動きます。
戦争や紛争を代表として世界全体に及ぶような社会不安が起こったときには、安定資産として名高い円が多くの投資家によって買われるというシンプルな動きです。
日本が社会不安の原因だった場合にはドルが買われる可能性が高いですが、近年では有事のドル買いから円買いにシフトしてきているため、多くのケースでは日本円が上がることになります。
日本円（JPY）を含む通貨ペアでFXをする際の注意点
FXで日本円を通貨ペアとして利用するときには、特徴を踏まえた運用の仕方を考えることが大切です。
日本円を使って取引をする際に失敗しないためには何が必要なのでしょうか。
ゼロ金利政策の影響が大きい
日本円で取引をするときには、ゼロ金利政策の影響が大きいので注意しましょう。
ゼロ金利政策によって日本円はほとんどの通貨に対して低金利通貨になっています。
そのため、日本円をベースにして買いポジションを取るとスワップポイントで利益を得られますが、売りポジションを取ると損失になるのです。
日本円よりも低金利の例外的な通貨もあるものの、基本的には売りポジションを長期保有してしまうと利益を生み出しにくいのが日本円の特徴です。
株価の影響を考慮する必要性が高い
日本円をFXで使う際には、日本の株価に注意して値動きを追うことが重要になります。
単純に為替レートを見て取引をしていると、急変を察知できずに大損をしたり、ロスカットを受けたりする可能性があります。
逆に株価が動くタイミングを狙って取引をする方法も選べるので、うまく使えば稼ぎやすくなります。
買いポジションと売りポジションのどちらを取っているかによって株価の動きの影響について考え方が異なる点にも注意が必要です。
値動きがあまり大きくない
日本円との通貨ペアは基本的に値動きがあまり大きくないものがほとんどです。
イギリスポンドとの通貨ペアは値動きが激しいと言われていますが、あくまでアメリカドルやユーロなどとの相対的に考えた場合のことです。
他国の通貨同士のペアならもっと大きな値動きをしているケースも多々あります。
日本円は安定性が高い分、急変も起こりにくい性質があると考えて取引をする必要があります。
特に、短期取引で利益を得たいトレーダーは注意した方が良いでしょう。
「日本円（JPY）」のまとめ
日本円は安定通貨として世界的に注目されていて、アメリカドルとユーロの次に取引量が多い通貨です。
安定しているためにペアにした相手通貨の影響を大きく受けるので注意しましょう。
USD/JPYは取引量が多くて推移も滑らかなことから多くのトレーダーによって選ばれています。
ゼロ金利政策によるスワップポイントの影響を考慮し、基本的には買いポジションを取って運用するのに向いている通貨です。
